嵯峨天皇と弘法大師の出会いのお寺、旧嵯峨御所大覚寺、その門前に残る唯一の塔頭寺院が覚勝院です。大覚寺は、嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」にはじまり、天皇自らが神に仕え神をまつる寺とされ、弘法大師との良縁をお持ちになった聖蹟の地であります。また、鎌倉時代(1307)に後宇多法皇が大覚寺を再興され、ここで院政をとられたので大覚寺を嵯峨御所と呼び、御歴代が皇族であったために門跡寺院と言われています。覚勝院は今から700年前に、摂政、関白の子息が出家して、法皇の法流を継承する院家の住坊として建立され、天皇自らが神仏習合の祈願した寺だとされています。そして今なお、嵯峨天皇の御こころと弘法大師空海の御教えを伝え、嵯峨天皇の陵をお守りする聖舎大覚寺を守護するのが役割であり、その使命を担っています。昭和二十七年以来、幼児保育のため社会福祉法人、覚勝福祉会を設立、まこと幼児園を運営し、千八百人を超える卒園児が地域の発展に活躍しています。
覚勝院の本堂は正徳元年(1711年)徳川家宣の寄進によるものです。ご本尊は、その深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施される菩薩・十一面観世音菩薩。また、ご本尊とともに、十一面観世音菩薩によって善神に改宗され仏教を保護し財運と福運をもたらす歓喜天、聖天様が祀られています。嵯峨聖天とも呼ばれています。その他、地蔵菩薩(嵯峨釈迦堂内地蔵院の本尊)、乳(ちち)観音(かんのん)(周山密厳院の本尊)、毘沙門天、不動明王、夕霧太夫の像も祀られています。
覚勝院は古くから嵯峨御所の院家として、御所の法流お預りの寺です。歴代の住職は公卿であったこともあり、明治天皇のご生母である慶子姫とはきわめて縁故が深かい関係にございました。そのご縁で、明治天皇ご生誕の際のおはら帯を加持して、献上させていただきました。この尊いご縁にあやかって安産祈願をご希望される方も多く、覚勝院のおはら帯として赤ちゃんの安産と、母と子の幸せな成長を御祈願申し上げております。
本堂に祀られている歓喜天、聖天様は、ヒンズー教の神様ではガネーシャにあたります。その聖天様のお喜びになるお供えものは、お酒とお団子と大根。聖天様は元来が歓喜、敬愛を本誓としておられます故に人生を歓喜悦楽して暮らすことが、聖天様の御祈願にかなうのです。また、お大根は蘿富根(らふこん)といいます。大根は心身の毒を消し、生命を養う薬。これを食して、煩悩の毒を除き、諸々の障難を脱しめんとの聖天様の御誓願故にこれをお供えし、そのお下がりを頂戴して炊き上げ、皆さんと一緒にいただくことで「心身の毒が消え、八福に浴する」のが聖天様の大根供養会です。毎年、旧暦の小雪の日を挟む二日間で行います。
(c)京都新聞社
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平成28年
- 11月27日(日) 息災護摩供養 11時半
- 12月23日(金) 写経団参 13時
- しまい護摩 14時
別格本山 覚勝院
〒616-8412
京都市右京区嵯峨大覚寺門前登リ町2
TEL 075-881-5788 / FAX 075-872-5538
- ■JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩約15分
- ■京福電鉄 嵐電嵯峨駅下車 徒歩約20分
※大本山大覚寺向かい
- ■JR京都駅発
- 市バス28系統/ 京都バス81・71系統
- ■三条京阪発 【大覚寺行】京都バス61系統
- ■四条烏丸発 【大覚寺行】市バス91系統
※全て大覚寺下車